Python.use(better, src=”PyPy”) #006: 関数 transformer.parse
｜中級篇｜
Python.use(better, src=”PyPy”) # ソースコードの歩き方《中級篇》
ソースコードの歩き方《PyPy1.2》
《著》小粒ちゃん@湘南組、小粒ちゃん@博多組《監修》小泉ひよ子とタマゴ倶楽部
第１版♪2008/11/25 ● 第２版♪2010/04/29
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PyPy1.2 のリリースを機に、PyPy1.1 版を再構成しました。
※ compiler の傘下にあるモジュールは、PyPy1.1.0 からの変更はありません。
関数 transformer.parse
関数 parse を頼りに歩を進めると、モジュール transformer.py に遭遇します。そこで、pycodegen.py に別れを告げて、新たな世界を探りましょう。
■ 関数 transformer.parse
関数 parse の本体では、
$ cat compiler/transformer.py
...
def parse(buf, mode="exec"):
if mode == "exec" or mode == "single":
return Transformer().parsesuite(buf)
elif mode == "eval":
return Transformer().parseexpr(buf)
else:
raise ValueError("compile() arg 3 must be"
" 'exec' or 'eval' or 'single'")
見慣れた光景 "exec" や "single" が目に留まります。分かれ道では "eval" を選びましたが、どの道、この同じ場所にたどり着くことが分かります。離れ離れになった仲間たちと再会したようで、安心して旅を再開できます。
以前と同様に、ここでも同じ道 "eval" を選びます。すると、
def parse(buf, mode="exec"): ... elif mode == "eval": return Transformer().parseexpr(buf)
そこに新たな登場人物 parseexpr が立ちはだかります。次の扉を開く鍵は buf/mode の２つです。一方の鍵 mode は、扉 "eval" を開くのに使いました。他方の鍵 buf で開く扉に至るには、新たな困難 Transformer を乗り越えなければなりません。左手に鍵 mode == "eval" を握りしめて、右手の鍵 buf で扉 parseexpr を開くと、そこに何が見えるでしょうか。
■ クラス Transformer
クラス Transformer の冒頭にあるコメントを見ると、
$ cat compiler/transformer.py
...
class Transformer:
"""Utility object for transforming Python parse trees.
Exposes the following methods:
tree = transform(ast_tree)
tree = parsesuite(text)
tree = parseexpr(text)
tree = parsefile(fileob | filename)
"""
メソッド parseexpr は、指定されたテキスト（文字列）から構文木 tree を生成するとあります。つまり、扉 parseexpr を開くと、そこには高く聳える構文木が見えるはずです。
クラス呼び出し Transformer() の謎を解く鍵は、特殊メソッド __init__ にあります。特殊メソッド __init__ では、
$ cat compiler/transformer.py
...
class Transformer:
...
def __init__(self):
self._dispatch = {}
for value, name in symbol.sym_name.items():
if hasattr(self, name):
self._dispatch[value] = getattr(self, name)
...
構文木の設計図（目録）になる、個別の辞書 self._dispatch を作成しているのが分かります。
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