Java/Python 導入ガイド《8》組み込み関数 isinstance を使って

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Java プログラマーのための Python 導入ガイド〈初級/入門編〉《Jython2.5.0》
《8》組み込み関数 isinstance を使って

《著》森こねこ・本間りす・小粒ちゃん《監修》小泉ひよ子とタマゴ倶楽部
第１版♪2003/05/23 ● 第２版♪2009/04/03

》作業中です《　2006年7月 5日 (水)

■ 概要

Java™ Programming Language〔JPL〕の事例を使って、Java と Jython との違いを学びます。

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組み込み関数 isinstance を使って

前の《事例》では、list/set/dict ごとに、異なる関数 list_filter/set_filter/map_filter を用意する必要がありました。なぜなら、イテレーションの最中に要素を削除しようとすると、set/dict では問題が生じるからです。そこで、組み込み関数 filter を使うなら、その問題を回避できるだけでなく、共通するフレームワークを提供する準備が整います。すると、異なる関数を統合するのが容易になり、それは、次のようになります。

>>> def xfilter(c):
... for e in filter(lambda e: not cond(e), c):
...     if isinstance(c, dict):
...         del c[e]
...     else:
...         c.remove(e)

組み込み関数 filter を使うと、引数 c が list/set/dict のいずれにも対処できます。しかし、メソッドの本体では、組み込み関数 isinstance を使って、dict に固有の処理を分別しているので、改善の余地があります（後の記事で紹介します）。

《Note》組み込み関数 isinstance
isinstance(object, class-or-type-or-tuple) -> bool

組み込み関数 isinstance は、object が指定した（子孫）クラス class のインスタンスかどうかを判定した結果をリターン値にします。クラスの代わりに型 type を指定すると、それが object の型かどうかを判定します。

>>> isinstance(3,int)
True

整数 3 の型は int なので、True が得られます。

>>> isinstance([],list)
True
>>> isinstance({},dict)
True

空リスト [] の型は list であり、空辞書 {} の型は dict であるのが分かります。

>>> class Parent: pass
>>> class Child(Parent): pass
>>> c,p = Child(),Parent()
>>> isinstance(c,Parent); isinstance(p,Child)
True
False

クラス Child の親は Parent です。すると、c は、親クラス Parent のインスタンスと見なせますが、p は、子クラス Child のインスタンスとは見なせません。また、次のように、

>>> for e in list,set,dict:
...     n = e.__name__
...     s = "isinstance(%s,%s)"%(eval("%s()"%n),n)
...     print s,":",eval(s)
isinstance(,list) : True
isinstance(set(),set) : True
isinstance({},dict) : True

組み込み型 list/set/dict と、それぞれの空インスタンスとの関係が分かります。

リスト：list

>>> c = range(5)
>>> c
[0, 1, 2, 3, 4]
>>> xfilter(c)
>>> c
[1, 3]

関数 xfilter を使うと、リスト c から、奇数でない要素だけが削除され、期待した副作用が得られたのが分かります。

集合：set

>>> c = set(range(5))
>>> c
set([0, 1, 2, 3, 4])
>>> xfilter(c)
>>> c
set([1, 3])

関数 xfilter を使うと、集合 c から、奇数でない要素だけが削除され、期待した副作用が得られたのが分かります。

写像：dict

>>> c = dict([(k,v) for k,v in enumerate("ABCDE")])
>>> c
{0: 'A', 1: 'B', 2: 'C', 3: 'D', 4: 'E'}
>>> xfilter(c)
>>> c
{1: 'B', 3: 'D'}

関数 xfilter を使うと、辞書 c から、奇数でないキー要素を含む要素対だけが削除され、期待した副作用が得られたのが分かります。

Last updated♪2009/08/04