セミナー通信:受講者のみなさんへ

差出人: 	sketch@par.odn.ne.jp
件名: 	《セミナー通信》受講者のみなさんへ@2008/12/26
日時: 	2008年12月26日 17:06:08:JST

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このメールを職場でご覧になっているみなさん、遅くまでお疲れさまです。また、すでに年末年始休暇を迎えて、このメールを自宅でご覧になっているみなさん、新年に向けて鋭気を養ってください。そして、もしかすると年明けに、このメールを職場でご覧になっているみなさん、新年こそは頑張って、この不況を乗り切って行きましょう。

先週末、Smalltalk 勉強会に参加して、昔懐かしい Smalltalk-80/Visual Smalltalk はもちろん、かつての戦友のみなさんとも再会してきました。これらが、今日の Eclipse/VisualStudio などが未だに到達できない真の「統合」開発環境を、四半世紀も前にはすでに実現できていたことには、改めて驚愕するしかありません。

iPod/iPhone に象徴される「ディジタル」機器の恩恵に味をしめるのと同様に「実行中のアプリケーションを停止せずに、プログラムの更新ができる開発環境」を経験してきただけに、世間では「統合」開発環境と称されている Eclipse/VisualStudio などが、Walkman に象徴される「アナログ」機器に見えてくるわけです。今や高校球児や社会人が、プロ野球選手ではなく、本場のメジャーリーガーを目指す時代です。Java/Ruby などに飽き足らないみなさんは「オブジェクト指向の本場では、さらにその可能性がどこまで広がるか」を体感してみるのも一興です。関連記事は以下をご覧ください。

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今回は、私からのお年玉(課題)といいますか…最初はクリスマスプレゼントのつもりでしたが、その日は慌ただしく過ぎてしまい、今日になってしまいました…。

これらの課題は、1988年(ですから、ちょうど20年前)に、Smalltalk-80 セミナーにおいて、既存の課題に飽き足らない受講者のために用意したものです。これらのゲーム課題の中には、プログラマーを目指すみなさんなら、一度は自分でも作ってみた(作ってみたいと思った)ものがひとつくらいはあるでしょう。

いずれも、オリジナル仕様に少しだけ手を加えたものです。これらの課題は、実際のアプリケーション開発において「些細な仕様変更に際して、いかに柔軟に対処できるか/できないか」を象徴するものです。これらの課題に取り組むことで、伝統的な開発手法に比べて「オブジェクト指向開発の優位性」を体感してもらう趣旨になっています。

ブログ(解答篇?)では、WPF/IronPython で作成した事例を紹介しています。これらは、プログラム(実行効率)を犠牲にしても、プログラミング(開発効率)を促進するように配慮しつつ、アプリケーションが完成するまでの過程(進化するテストケース)を提示しています。ですから、答え(犯人は誰か)だけに興味のあるみなさんは、連載の最終回だけをご覧ください。そして、解法(スリルを味わう)にも興味のあるみなさんは、日々更新される内容を楽しみにお待ちください。

プログラミング言語/開発環境は、何でもかまいません。そのとき「要求仕様に変更があっても、柔軟に対処できるかどうか」を再考してみてください。もし頭を抱えるようであれば、今使っているプログラミング言語/開発環境を疑ってみるだけの価値があるかもしれません。Java/EclipseC#/VisualStudio などに飽き足らないみなさんは「何か新しいことに挑戦してみたい」そんな気分に浸るのに、新年はその好機となるかもしれませんね。■