《34》リファクタリング：重複するコードの断片〈Python 3.0 版〉
‖記事一覧‖
実録：はじめてのプログラミング
リファクタリング：重複するコードの断片
《著》小粒ちゃん＋α《監修》小泉ひよ子とタマゴ倶楽部
第３版♪2009/02/28 ● 2009年3月2日(月)
■ 概要
重複するコードの断片から、新たなメソッドを抽出します。
リファクタリングが困難なときには「組み込み関数 eval を利用できないか」を検討します。 すると、新たなメソッドを抽出して、より洗練されたコードを記述できるようになります。
何が問題か：重複するコードの断片
すでに紹介したメソッドには、コードの断片が重複するものがあります。たとえば、次に示す２つのメソッドは、
def __delitem__(self, key): prev,node = self.head,self.head.next n = 0 while node: if n==key: prev.next = node.next # (@.@) del node break prev,node = node,node.next n += 1 else: s = self.__class__.__name__ raise IndexError,"%s assignment index out of range"%s def remove(self, value): prev,node = self.head,self.head.next while node: if node.item==value: prev.next = node.next # (@.@) del node break prev,node = node,node.next else: s = self.__class__.__name__ raise ValueError,"%s.remove(x): x not in %s"%(s,s)
（強調した部分を除いて）その大半が同じだと分かります。どちらも要素を削除するので、コードが重複するのは当然です。そこで、リファクタリングを実施して、重複するコードの断片から新たなメソッドを抽出します。
リファクタリング：重複するコードの断片
リファクタリングの基本は「整理整頓」です。それには、因数分解〔factorization〕と同様に「共通項を括り出して」簡潔で見通しの良いコードを目指します。
まず、既存のメソッド __delitem__/remove に共通する、新たなメソッド removeNode を抽出します。if に続くブロック (@.@) に着目すると、条件式は違っても、ブロック本体は同じだと分かります。そこで、
class myList(object): def removeNode(self, value): prev, node = self.head, self.head.next n = 0 while node: if ...: # (1) return self._removeNode_body(prev, node) prev, node = node, node.next n += 1 else: s = self.__class__.__name__ raise ... # (2) def _removeNode_body(self, prev, node): prev.next = node.next del node return ...
共通するブロック本体から、独立したメソッド _removeNode_body を抽出します。このとき、もとの局所変数 prev/node を、新たに引数として再定義します。
