《35》リファクタリング:異なる条件式〈Python 3.0 版〉

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《35》リファクタリング:異なる条件式

《著》小粒ちゃん+α《監修》小泉ひよ子とタマゴ倶楽部
第3版♪2009/02/28 ● 2009年3月3日(火)

■ 概要

(条件式だけを対象に)異なるコードの断片から、新たなメソッドを抽出します。

 リファクタリングが困難なときには「組み込み関数 eval を利用できないか」を検討します。
 すると、新たなメソッドを抽出して、より洗練されたコードを記述できるようになります。

何が問題か:異なる条件式

前述した)2つのメソッド __delitem__/remove では、

    def __delitem__(self, key):
        ...
        while node:
            if n==key:
                ...
    def remove(self, value):
        ...
        while node:
            if node.item==value:
                ...

if に続く条件式が異なります。そこで、リファクタリングを実施して、これらの異なるコードの断片から新たなメソッドを抽出します。

リファクタリング:異なる条件式

メソッドを抽出するときには、もとの局所変数を新たな引数として再定義します。ここでは、4つの局所変数 node/key/value/n が対象になります。
ただし、局所変数 key/value は、各メソッドに固有で相互に独立しています。そのため、これらの違いを捨象して、新たな仮引数の名前を(どちらか一方の)同じ value に統一できます。すると、

    def _removeNode_delitem_cond(self, node, key, n):
        return n==key
    def _removeNode_remove_cond(self, node, value, n):
        return node.item==value

各メソッドの引数は(4つではなく)3つだけ必要になります。この抽出したメソッドを呼び出すときには、各メソッドの名前の一部 delitem/remove だけが異なります。そこで、

class myList(object):
    def removeNode(self, value, tag):
        ...
        while node:
            if eval("self._removeNode_%s_cond(node,value,n)"%tag):
                return self._removeNode_body(prev, node)
            ...

新たな引数 tag を導入して(その状況に合わせて)メソッドの名前を変化させます。つまり、呼び出すメソッド _removeNode_delitem_cond/_removeNode_remove_cond は、実行時に確定します。

Tips

本格的なメタプログラミングについては、他の記事で紹介します。組み込み関数 eval は、その手段のひとつを提供します。《ひよ子》□

Last updated♪09/04/14