《36》リファクタリング:異なるエラー処理〈Python 3.0 版〉

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《36》リファクタリング:異なるエラー処理

《著》小粒ちゃん+α《監修》小泉ひよ子とタマゴ倶楽部
第3版♪2009/02/28 ● 2009年3月4日(水)

■ 概要

(エラー処理だけを対象に)異なるコードの断片から、新たなメソッドを抽出します。

 リファクタリングが困難なときには「組み込み関数 eval を利用できないか」を検討します。
 すると、新たなメソッドを抽出して、より洗練されたコードを記述できるようになります。

何が問題か:異なるエラー処理

前述》した2つのメソッド __delitem__/remove では、

    def __delitem__(self, key):
        ...
        while node:
            ...
        else:
            s = self.__class__.__name__
            raise IndexError,"%s assignment index out of range"%s

    def remove(self, value):
        ...
        while node:
            ...
        else:
            s = self.__class__.__name__
            raise ValueError,"%s.remove(x): x not in %s"%(s,s)

raise に続く例外が異なります。そこで、リファクタリングを実施して、これらの異なるコードの断片から新たなメソッドを抽出します。

リファクタリング:異なるエラー処理

メソッドを抽出するときには、もとの局所変数を新たな引数として再定義します。ここでは、1つの局所変数 s が対象になります。すると、

    def _removeNode_delitem_error(self, s):
        raise IndexError,"%s assignment index out of range"%s
    def _removeNode_remove_error(self, s):
        raise ValueError,"%s.remove(x): x not in %s"%(s,s)

各メソッドに固有の例外とメッセージの内容だけを記述すればいいのが分かります。そこで、

class myList(object):
    def removeNode(self, value, tag):
        ...
        while node:
            ...
        else:
            s = self.__class__.__name__
            eval("self._removeNode_%s_error(s)"%tag)

新たな引数 tag を導入して(その状況に合わせて)メソッドの名前を変化させます。つまり、呼び出すメソッド _removeNode_delitem_error/_removeNode_remove_error は、実行時に確定します。

Tips

本格的なメタプログラミングについては、他の記事で紹介します。組み込み関数 eval は、その手段のひとつを提供します。《ひよ子》□

Last updated♪09/04/15